秋の臨済寺・特別公開
年2回の臨済寺の特別公開へ行ってきました。
静岡市にある臨済寺は、駿河で権勢を誇った今川家によって建立された臨済宗のお寺です。
歴代の今川家の人物が祀られているほか、今川家が滅んだあとは武田信玄に駿河のまちも侵攻され火をかけられたのですが、徳川家康によって再建され、庇護されてきました。
幼少期に人質だった家康(松平竹千代)が過ごしたお寺としても有名です。
ちなみに竹千代の松平家は、その当時は三河の国の弱小な一地方豪族で、織田家に対抗するために今川家に従属していました。
その証として、嫡男だった竹千代を今川家にいわば人質として差し出していたわけですね。
普段は修行寺として機能し、中に入ることはできませんが、毎年5/19と10/15に臨済寺は特別公開されています。
5/19は「今川氏輝公・義元公 命日忌」の法要にともなう一般公開です。
10/15は「摩利支天祈祷会」による公開となっています。
摩利支天とはなんぞやということですが、仏教の守護神のひとりで護身、蓄財などの神として信仰されているそうです。
原語のマリシは太陽や月の光線を意味しているそうです。摩利支天は陽炎(かげろう)を神格化したものでイノシシに乗っています。
もとはバラモン教、ヒンドゥー教のヴェーダ神話に登場する女神様のようですが、仏教と融合して守護神として採用されたとのこと。
奥が深いですね。
座禅堂で法要が行われます。般若心経のあと、三蔵法師がインドから中国へ持ち帰ったという大般若経が読まれました。
その方法は「転読」と言って、600巻にも及ぶ経典は一度に読むことができないので、大声でお経を唱えながら、経典をアコーディオンのようにめくり、読んだことにする、という方法です。
お坊さんがみんなで読む姿、ちょっとおもしろいですね。
開山した大休宗休像と太原雪斎像がある開山堂の天井が素敵。
書院造。
竹千代が過ごしたという部屋。4畳半。障子が素敵。
そして必見なのが茶室。こちらは大正時代に寄贈によって建てられたそうです。
庭は天正年間(安土桃山時代)に築造され、国の名勝に指定されています。
臨済寺はすぐうしろが賎機山で、その斜面に建立されたのがこちら。右側の長い階段を登って行きます。
茶室からは市内を一望できます。
方丈の広い縁側が素敵。
ずっとゆっくりしていたいなぁ。
今川じゃなくて徳川の紋なんですね。
方丈は国の重要文化財とのこと。
年に2回しかいただけない御朱印もいただいてきました。
同じ仏教好きなHさんに付き合っていただきました。ありがとうございました。
次回の公開は5/19です。
お時間のある方はぜひ。
by ma2i | 2015-10-15 21:28 | 仏教