「セル・フィーユ」劇団Si:d@MAVIC

劇団創立10周年。

大作でした。

死後にその作品が評価されたフェルメール。
その彼の、「あったかもしれない」贋作を描くメーヘレン。
メーヘレンの栄光と挫折がうまく描かれていたと思います。

メーヘレンは器用で絵もうまかったのですが、いわゆる画壇や批評家からは良く思われていませんでした。それは彼の虚栄心を満たせませんでした。教師であり芸術を否定していた父親の影響もあったのでしょう。
彼は徐々に屈折してゆきます。

絵画の修復の技術を駆使してフェルメールの贋作を描いて行きます。
贋作を描くにも大変です。鑑定士たちの目を欺くために、フェルメールの生きた当時のキャンバスを探してきたり、当時にしかなかったラピスラズリを使った天然の青の絵の具をつくったり、できた絵をあぶったり。それなりの技術が必要でした。

そして当時フェルメール鑑定の権威にも真作だと言わしめてしまった。
恐ろしいほどの執念です。

芸術とはなんなのか。ちょっと考えてしまいます。
大半の人は権威が「良い」といったものに簡単になびいてしまいます。
なかなか自分の絶対的な基準なんてもっていません。
単純な線と色の組み合わせの作品が何億円もしたりします(モンドリアンとか)。
メーヘレンの苦悩は私たちの苦悩でもあるのです。

だから私は色々な作品を見るときに素人の目でしか見られません。
単純に好き嫌いです。
自分が好きだと思えばそれに価値を置くし、嫌いだと思えば忘れてしまいます。

私はフェルメール 20世紀最大の贋作事件: フランク・ウイン
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by ma2i | 2009-08-02 21:40 | 観劇 | Comments(0)