本
「クライマーズ・ハイ」 横山秀夫
日航ジャンボジェット機が御巣鷹山に墜落した事故を追った地方の新聞社を舞台にした人間のドラマ。
新聞の記事が社内政治によって左右され、主人公が個人と会社で苦悩する姿。
作者が新聞社に勤めていただけあって細部にわたって描かれていた。
「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」 滝本竜彦
ある意味逃げるために戦う女子高校生。戦うことにあこがれる主人公の男子高校生。
戦う。何のために? そこに敵がいるから。
敵と戦っているときはある意味しあわせだ。それ自体に存在意味を求められるから。
「賃金デフレ」 山田 久
普段、普遍的だと思っていることが実は自分たちの住んでいる社会の中で決定されてきたことだと気づくときがある。
戦後の年功序列と定期昇給がどのように決定されてきたかをわかりやすく解説し、現在のデフレ状況と未来を賃金の視点から解説した書。
「こんな夜更けにバナナかよ」 渡辺一史
そういえば甲府に住んでいたとき、車椅子の男性が成人雑誌コーナーで成人雑誌を読んでいる場面に出くわしたことがある。
一瞬考え込んでしまったけど、「あぁそうだよな。そうなんだよな」とひとりで妙に納得してしまったことがある。
この本のなかで難病と闘っていた・・・というか難病とともに生きていた鹿野氏が輝くように生きていたのに対し、いわゆる身体的に問題のない健常者が苦悩する姿が対称的だった。
by ma2i | 2005-03-24 19:14 | 読書